No.121 | 2022年3月号
M&A後の一年を語る京都 双林株式会社 & 東京 株式会社遊文舎
いつも『遊文通信』をご愛読いただき誠にありがとうございます。2021年1月に M&A でグループ会社となった京都の双林株式会社。1年たち、今後グループとして遊文舎とどう協業してゆくのか、相乗効果を創出するのか。未来に向けた展望を、遊文舎東京支店と双林のスタッフが DISCUSSION しました。京都の市場は今コロナ禍で冷え切っていますが、今後本来の観光都市としてのポテンシャルが発揮され、市況が大きく回復するのは必然です。大阪、東京、インターネットに次ぐ第4の市場での販路拡大が、遊文舎グループの未来に寄与していくために、今後も交流を深めていきます。
出席者
双林株式会社
宮腰 勇二(企画営業課)
鳥居いづみ(経営企画課)
岡本菜々美(企画営業課)
聞き手
株式会社遊文舎 東京支店
佐地 覚(営業グループ)
中野 瞬(営業グループ)
佐地 こんにちは、東京支店責任者の佐地です。東京かつコロナ禍もあり、双林さんとはM&A後もほとんど交流できてませんね。今後の展望も含め、いろいろお話を伺えればと思いますのでよろしくお願いします。
宮腰・鳥居・岡本 よろしくお願いします。
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▲ インタビューはZoom で。左:双林、右:遊文舎
中野 『遊文通信』編集長の中野です。東京支店の法人営業を担当しております。遊文舎に入って4年目なので、まだまだ勉強中の若輩者です。
まずはこれまでどんな活動されてきたのか詳しくお伺いできたらと思います。双林さんではどんな業務を経験されてきましたか。
宮腰 基本的に品質重視のオフセット印刷をメインとして、ずっと営業してきました。例えば色のシビアな図録やカタログ、個人情報絡みの情報誌、社内報等。その中には一般企業様もあり、広告代理店とか、学校関係とか、そういったいろんな業界がありました。遊文舎さんのほうは、文字本関係とかが結構強く特化された会社かと思いますが、双林は、お客様毎の個別のリクエストに愚直に対応してゆくスタイルでやってきました。例えば、作品集とか、商品カタログとか、色目の難しいものもこなしてきたので、京都の中では、結構、双林っていう名前を出させていただくと、「あー、双林さんね」と。当然、先代の社長からずっと築き上げられてきたものもありましたので、結構、名前は知っていただけている企業かなと思ってます。知名度、ブランド力は相応に有しているところは強みと言えると思います。
中野 そうなんですね。美術書や図録とか、商業印刷みたいなものとかのほうが多いようなイメージなんですかね。
宮腰 結構そちらのほうが多いですね。実際、代理店さんとかになりますと、本紙校正を上げて、そこで色目調節をして納品することや、商品自体をお預かりして、それに製版と協力して色目を合わせてっていうのもあります。昔は、プランニング事業部とデザイン部門二つに分けてやってたときもありますので、そういったところに力入れてきた歴史を私が在籍している24~25年で見てきました。
中野 宮腰さんは、結構長く双林にいらっしゃるんですね。皆さんはどれくらい双林に在籍されているんですか?
岡本 私はまだ5ヶ月弱くらいです。以前、別の印刷会社で営業をしておりました。昨年夏に転職サイトで双林を見つけました。
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▲ インタビュアー 遊文舎 東京支店 佐地・中野
中野 実際、いろんな社歴の方々がいらっしゃいますよね。そんな皆さんが、今回、 M&A と聞かれたときに、どんなふうに思われたか、率直な感想をお伺いしたいです。こういった話なので、直前まで何も知らされなかったとは思うんですが、宮腰さん、その辺はどうですか。
宮腰 僕、そのときは双林に所属してなかった時期なんですよ。一度退職して 1年間程、別会社に勤めて、M&A 後に木原社長に会いに行って、出戻ったんです。去年の1月18日の朝礼で、遊文舎さんのほうから木原社長と数名が来られて、その場で突然、発表があったということは聞いています。
M&A になったっていうのは、当時の会社の上の方から聞きました。その時の率直な感想は、やっぱりそうなったかという思いでした。世の中のコロナの状況や状況がありましたし、会社が厳しい状況だというのは従業員皆分かってました。ある意味、そうなったら双林がまた生まれ変わるというか、違う形では生き残るんで、それはそれで当時いらっしゃる社員さんにとっては良かったよな、と思いました。
中野 予備知識なしに外から見るのと、中から見るのとではイメージ違うかもしれないですよね。
鳥居 私は入社して 6 年目ですが、その話を聞いたときには、会社も経営的に非常に厳しい状況で、私は経理ですのでなおさらそれが分かっていたので、個人的な意見ですけど、助かったなって思いました。でもやっぱり、M&A っていう言葉そのものが、個人的には『半沢直樹』を思い出すようなイメージで自分たちについての不安な部分もありました。助かったって思う反面、実際、自分がいてられるんかな、っていうのは、1年前は思いましたね。
中野 会社もそうですが、ご自身についてもいろいろ不安なところもあったんですね。実際に木原社長が来てお話しされたときの遊文舎の印象や、社長の印象はどうでしたか。
鳥居 M&A といってもホームページで知る情報ぐらいしか分からないので、お互い身構えてるような状況だったんじゃないかな。でも、スタートしてやりとりする中で、懇切丁寧に教えていただいてありがたいです。いつも、遊文舎の皆さん、笑顔で話してくれはるんで、すごい安心してしゃべれるんです。今では、M&Aやって良かったなと私は思ってます。多分皆も。
中野 ありがとうございます。ちなみに、社長本人の初対面の印象はいかがでしたか?
鳥居 正直、一言で言うと怖かったですね。笑顔で丁寧にお話ししていただくんですけど、本音はどうなんかなみたいな怖さっていうか。
でもそれは最初だけで、私自身は今、全然そんなふうには思ってなくって。社員としてちょっと耳にいいこと言っときますと、信頼できる社長が来てくださったなと感じています。はっきり明確に方針を出して自ら率先して動いてくださる方なので、だからこそ一緒に頑張っていきたいとも思ってます。おべんちゃらでも何でもないですよ。
中野 木原社長は喜びますね。それでは宮腰さんは初めて社長に会ったときはどんな印象でしたか。
宮腰 双林が M&A になったって噂になって、「大阪の遊文舎らしいで」って言われたときに、僕、気になってネットで調べたんですよ。ホームページに出てたオンデマンド機にこう寄り添ってる写真ありますよね。あれを見たときに、自信を持っておられる社長なんかな、っていう感じがありました。ホームページの写真だけで見ればですけどね。
過去、僕、双林の歴代の社長4人存じ上げて、その中では、経営っていうものに対して、初代もそれなりに自信を持たれてました。実際にお会いして木原社長も経営に対する考え方とか、自分なりのポリシーとか、持たれてるんやなと思いました。自分の中で良し悪しの筋を持たれてる方だと感じました。
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▲ 双林会議室から、東京会議室を見る
中野 ありがとうございます。最後に、岡本さんは、5カ月前に、面接とかでお会いしたのかなと思うんですけれども。社長と初めて会ったときの印象いかがでしたか?
岡本 面接時に初めて会って鳥居さんと同じで怖いな、と思いました。入社して、 2週間ぐらい遊文舎さんのほうに研修に行かせてもらったときに、声かけてくださって、双林に戻ってからもちょいちょい、「最近どう?」みたいな感じで聞いてくださるので、社員の様子とかを気に掛けてくださる方なんだなって思ってます。
中野 東京の水道橋営業所に来られるときも、「最近どうや?」なんて声かけていただけるのは嬉しいですね。
今、遊文舎グループという形で、新しくスタートを切ったところですが、グループになって良かったなと思うところ、逆に悪かったなって思うところはありますか。私の場合、「大阪だけじゃなくて京都にもグループ会社があるんですよ」と言うと、「結構大きい会社なんだね」みたいな形で安心感持っていただけるところもあると思っています。その辺り、営業されてて、宮腰さんはなんか変化ありましたか。
宮腰 今までは双林単体の経営母体だったんで、できることが限られてましたけど、今は、「遊文舎っていう会社が親会社で、そこのグループ企業です」と言える。新規で回るときも、「東京にも支社があって、他にもグループ会社がありまして」と言うと、今おっしゃったみたいに、「なんかあったときでも対応できる力があるんやな」と見てもらえますね。新規も既存のお得意先も、全体として売上 10 億規模っていうだけですごく安心されたこともあります。
あとはオンデマンド、ここ最近でしたら冊数が少ない案件とか多いんで、今までにはない提案ができることは、グループとなって良かったことの一つなのかなと、営業してて思います。
営業推進さんっていうシステムも、今まで双林には、なかった部分です。昨年、新規採用された営業サポートの優秀なスタッフ 2 名いますけど、原稿を 2人が内校して、校正以外のブラッシュアップとかをしてもらってるんですね。例えば、日付と曜日が違うとか、よく見落とすところをお客様に指摘すると、「ある意味それも品質管理でいいですよね」ってお答えをいただくことがあります。
ちゃんとしたものをお届けする組織的な仕組みやノウハウを遊文舎さんから、グループとなった双林にも浸透して頂いているのは、ありがたいです。またデジタルプロモーション課という部門も新設されて、今までは全く受注できなかったWEBやデジタルブック等電子商材も加わったことで、お客様の双林に対する見方が大きく変わったことを肌で感じます。コロナ収束とともに今後の展開に営業一同、すごく手応えを感じています。
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