【公開日:2021/2/3】
「せっかく作ったデータを印刷したら、色が暗くなった印刷物が納品されたんです。」
先日、あるお客様からご連絡をいただきました。
wordでデータを作成し、印刷通販会社で注文されたとのことでした。
お話をうかがってすぐに、どういうことか想像できました。
実はこの「色が変わってしまう問題」って印刷データ「あるある」なんです。
今回はこの原因と対策について解説させていただきます。
一般にカラー印刷と呼ばれているのは4色印刷のことです。
「4色」とは、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)のインクの色を指します。この4つの色(CMYK)を組み合わせることによって色を表現しています。この4色はプロセスカラーとも呼ばれます。
少し専門的な言葉を使うとCMYを「色の三原色」といい、これらを同比率で混ぜ合わせると、黒になります。これを「減色混合の原理」といいます。
一方で、テレビやパソコンなどの画面で見る色はR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の3色の光を組み合わせで表現しています。これを「光の3原色」といいます。
このように画面の色と印刷物の色は色の表現方法が大きく異なるため、印刷会社ではお客様が作ったデータがRGBで作られたデータの場合はCMYKに色変換して印刷します。RGBとCMYKでは表現できる色の範囲も異なり、CMYKはRGBと比べて範囲が狭くなるため、色変換した際に全体的に彩度(鮮やかさ)が下がり、暗く沈んだ色になります。
そのため、お客様のデータが暗い色で印刷されたのだと思います。
ではどうすれば、いいのでしょうか?
やはり、色の違いは目視で確認するのが一番です。
確認する方法はいくつかありますが、もっとも簡単な方法は「家庭用プリンターなどで試し刷り」することです。簡単に確認出来るのですが、家庭用プリンターと印刷会社での印刷では、印刷方式やインク、機械が違いますので、本番で印刷したものと同じ色にはなりません。
一番のオススメは印刷会社で色校正を出してもらうことです。
実際に印刷をする機械で校正を出すので、自分の作ったデータの色がどのような色で印刷されるかを正確に確認することができます。
費用は、印刷会社によってバラバラですが、無料~3,000円くらいが相場だと思います。
ただし、最終的に印刷する部数が多い場合は、印刷版が必要なオフセット印刷機で刷ることになるので、その場合は金額が高くなる可能性があります。一度、印刷会社に確認してみてください。
遊文舎でも、色校正やサンプル作成が出来ますので、印刷物を作る際にはご相談ください。
印刷には(主に部数の多い印刷物を印刷する)オフセット印刷と(主に小ロットの印刷物を印刷する)オンデマンド印刷がありますが、今回はオフセット印刷について解説します。
まず、印刷する場合に必要になるのが刷版という金属製の板、これを4色分作成します。
刷版を印刷機にセットし、C版、M版、Y版、K版を順番に重ね合わせて印刷していきます。版画をイメージしていただけるとわかりやすいかと思います。
印刷機の中では下記の流れで印刷されていきます。
① それぞれの版にインクがのせられる。
② 版とブランケットが接触し、インクが転写される。
③ ブランケットから印刷用紙へ印刷される。
色はインクを混ぜるのではなく、色の点の密度で表現されています。
もし、お手元にチラシなどの印刷物とルーペなどがあれば、確認していただけるのですが、小さな点がいくつも重なっていると思います。
簡単にですが、オフセット印刷の流れについて、解説させていただきました。
こういった工程を経たものを断裁し、印刷物は完成します。
遊文舎は高品質のカラー印刷には自信がありますので、是非一度、カラー印刷をお試しください。通常のカラー印刷はもちろん、金銀やメタリックカラーの印刷も可能です。
色の変化が気になる方は色校正をお忘れなく!!
※後日、ご連絡いただいたお客様には原稿データと画像やイラストの元データ(word貼り付け前のもの)を送っていただき、弊社でデータを作成しました。納品した印刷物にも満足いただけたようで、喜んでいただけました。