【公開日:2021/4/9】
印刷物には様々な製本方法があります。
一般的な中綴じ製本、無線綴じ製本について解説いたします。
それぞれの特徴を理解してより良い冊子作りにご活用ください。
中綴じとは、2つ折りにした用紙の中央部分をホチキスや針金で綴じる製本方法です。
見開きがノドいっぱいまで(180度)開きます。
中綴じ製本のメリット・デメリットについて無線綴じと比較して解説していきます。
まずはメリットから
ページが180度しっかり開くので無線綴じのようにノド側が隠れることがなく、見開きでデザインすることが出来ます。
無線綴じは少ないページ数だと強度が弱く、製本が出来ない場合もありますが、中綴じだと製本が可能です。ただし、ページ数の制限などもあります。
背幅がなく薄い仕上がりになるため、会社案内や観光ガイドブックなど、持ち運びや配布する印刷物に最適です。
次にデメリットです。
2つ折りにした用紙の中央部分を綴じるため、表紙と本文を合わせて4の倍数のページ数でないと製本ができません。データが10ページ分しかない場合は新たに2ページ分のデータを作るか、何も印刷しないページを2ページ挿入し、4の倍数のページにして印刷・製本します。
また、ページ数が多いとホチキスで留めることができないため、製本が出来ません。
薄く、背幅がないので、背文字を入れることができません。そのため、本棚に収納して管理するのが難しいです。
無線綴じは接着するため強度がありますが、中綴じは引っかかったりしてホチキスが外れてしまうこともあるため、強度がやや弱いです。
会社案内やパンフレット、商品ガイドブックなど、ページ数の少ない冊子などでよく見られます。無線綴じと違い、見開きでデザインすることができるため、開きやすさを生かしたデザインが多いです。
制作実績 中綴じパンフレット
無線綴じとは、本文ページ(折り丁)を重ね合わせた背の部分を特殊な接着剤で接着し、表紙でくるんで綴じる製本方法です。くるみ製本とも呼ばれています。
無線綴じ製本のメリット・デメリットについて中綴じと比較して解説していきます。
まずはメリットから
特殊な接着剤と表紙と本文用紙を接着するのでページ数が多くても綴じられます。
またホチキスや針金で綴じる中綴じと比べて強度があります。
中綴じ製本は4の倍数のページ数が必要となりますが、無線綴じ製本にはそういった制限がありません。ただし、ページ数が少なすぎると接着面が少なくなるため、製本ができません。
中綴じはページ数が多い場合冊子が膨れてしまうのですが、無線綴じはフラットな直方体の冊子になるため本棚に収納しやすいです。また、中綴じと違い背表紙があるので背表紙に背文字を入れておけば本棚から見つけやすいです。表紙の用紙やデザインによっては高級感のある冊子に仕上げることもできます。
次にデメリットです。
ノドの部分を接着するためページが開きにくく、ノドの部分(見開き中央部分)が隠れてしまいます。そのためページをまたぐデザインなどは注意が必要です。弊社ではノド側には最低でも14mmは余白を取り、文字やデザインがかからないことを推奨しています。
印刷部数やページ数にもよって変わってきますが、中綴じよりも納期までお時間をいただくことがあります。
商品カタログや文庫本、論文集などの冊子でよく見られます。
情報量が多く、ページ数が多くなる場合や、表紙や表紙カバーで高級感を出したい場合などは無線綴じが多いです。
印刷物の製本で代表的な中綴じ製本と無線綴じ製本について解説いたしました。
それぞれの特徴、メリット・デメリットを考えながら印刷物を作ってみてください。
中身は同じでも製本方法で印象は変わりますので、奥が深いです。
何をどう見せたいかを考えて構成やデザインを考えていくのも一つの手です。
遊文舎では製本方法のご相談も承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。