【公開日:2021/6/16】
用紙解説シリーズ第4弾は「書籍用紙」について取り上げます。
用紙選びの際に上質紙と迷われる方も多くいらっしゃいます。今回は上質紙との比較も交えながら解説していきます。
「書籍用紙」という名前の通り、書籍の本文用紙として使用されることが多い用紙です。 文庫本や小説に使われている淡いクリーム色の用紙がそれです。メジャーな書籍用紙としてはクリームキンマリや琥珀といった用紙があり、遊文舎で書籍用紙として使っているのは「琥珀」です。(お客様のご希望によってクリームキンマリなど別の用紙を使用することも可能です。)
用紙の色がやや黄色味がかっているので、白色度の高い上質紙やコート紙などと比べて。コントラストが抑えられ、目が疲れにくい特徴があります。そのため、小説などのような長時間読む冊子に使用されることが多いです。
小説以外にも自伝や記念誌や文集など、少し特別感を出したい印刷物に使用するのもオススメです。紙が違うだけでグッと高級感が増します。
遊文舎で使用している書籍用紙「琥珀」の厚みです。
厚み(連量) | 厚さを身近なものに例えると |
---|---|
書籍用紙(琥珀) 57.0kg | レシートくらい |
書籍用紙(琥珀) 62.0kg | 新聞紙くらい |
書籍用紙(琥珀) 67.5kg | ノートやコピー用紙くらい |
書籍用紙(琥珀) 72.5kg | 千円札くらい |
書籍用紙(琥珀) 90.0kg | 週刊誌の表紙くらい |
※kgで表される連量は全紙1000枚の時の総重量です。
弊社では出版社から個人の方まで、幅広いお客様から年間を通して数多くの書籍をご注文いただいております。使用する書籍用紙の厚みは総ページ数や表紙の背の厚みなどによって変わりますが、67.5kg、72.5kgが多く使用されています。
書籍などの冊子によく使用される書籍用紙と上質紙。
用紙の色や質感などは異なりますが、用途などがほとんど同じため、用紙選びの際にどちらにすればいいか迷われるお客様は多いのではないでしょうか?
私もこれまでお客様からご相談いただいたことが何度かあります。
結論から申し上げると「正解はありません。」
ですが、「読み手や内容、目的にあわせた用紙選び」をすることで、読者や利用される方にとっての正解には限りなく近づけると思います。
「書籍用紙は高級感がある。」
この一文で高級用紙とイメージされた方、申し訳ございません。
たしかに書籍用紙は、上質紙よりは少し高くなり、予算は少し上がるかもしれませんが、小説など読者の方がじっくり読む冊子には、書籍用紙をオススメしています。ただし、本体ページに写真などが使用されている場合などは白色度の高い上質紙の方が写真を綺麗に印刷できるためオススメです。
また、報告書や少ないページ数の冊子であれば、書籍用紙を使用するよりもコストを抑えられる上質紙をオススメしています。
書籍用紙は比較的安価で使いやすい用紙です。一度、印刷物にご活用ください。迷われた時は2種類でも可能ですので、上質紙で印刷したものと比較検討ください。
皆さまが印刷をする際に、参考にしていただけると幸いです。
今後もお役立ち情報で用紙情報を配信していく予定ですが、メールやお電話でもご質問も受け付けております。お気軽にご連絡ください。