【公開日:2021/7/26】
用紙解説シリーズ第6弾。今回取り上げるのは「色上質紙」です。
以前に解説した上質紙との違いや特徴、用途などについても解説します。
色上質紙を一言で説明すると「色のついた上質紙」です。
カラーバリエーションが33色と豊富で、やさしい色味が特徴的な用紙です。一般紙の上質紙と同様に安価なため、使い勝手がよくコストを抑えて「色のついた用紙を使いたい」場合にはうってつけの用紙です。
・カラーバリエーションが豊富。やさしい色味。
・古くから愛されている用紙で、品質が安定している。
・印刷機やプリンターに適応しているため、印刷しやすい用紙。
・マットな質感で落ち着いた印象。
・厚みを変えれば本文、表紙どちらにも使える。
・筆記性に優れている。鉛筆で書き込むことも可能。
・比較的安価なため、ページ数や部数が多いときにオススメ。
・用紙の色が影響するため、カラーの写真やイラストの印刷には不向き。
色上質紙は「特薄口、薄口、中厚口、厚口、特厚口、最厚口、超厚口」と6種類の厚みがあり、薄い紙から厚い紙まで幅広くラインナップされています。弊社で一般的によく使われている厚みの用紙を取り上げ、身近なモノに例えてみました。
下記の表をご覧ください。
厚み(連量) | 身近なものに例えると | オススメ用途 |
---|---|---|
色上質紙 薄口 | レシートや新聞紙くらい | アンケート票、薄めのチラシなど |
色上質紙 中厚口 | キャンパスノートやコピー用紙くらい | 書籍や冊子の扉など |
色上質紙 厚口 | 千円札くらい | 薄めの冊子の表紙など |
色上質紙 特厚口 | 切符くらい | 冊子の表紙、ショップカードなど |
色上質紙 最厚口 | 厚めのファッション誌の表紙など | 冊子の表紙やポストカードなど |
色上質紙は書籍や冊子をはじめ、アンケート用紙やチラシなど、さまざまな印刷物に使用されています。 書籍や冊子の場合には厚めの用紙を表紙に使用したり、本文用紙と同程度の厚みの用紙を扉(本の最初のページや各章の始まりのページに使用する別紙)に使用するなど、1冊の本を作る際にも用途がたくさんある万能な用紙です。
また、市町村から届くアンケート用紙やチラシや、企業の商品の注文用紙などにも使用されることも多く、わたしたちが生活する中で自然と見たり触れたりすることの多い用紙です。
用紙の厚みを変えれば、さまざまな印刷物に使用することができます。
この他にもたくさんの印刷物に使用できますが一部を紹介いたします。
・書籍や冊子の表紙、扉、見返し
・契約書や確定申告書類など、提出用の書類の表紙
・アンケート用紙
・テキストや問題集の一部や、別冊の解答冊子
・封筒やハガキ、ポストカード、案内状
・名刺やショップカードや店内POP
この記事の冒頭で色上質紙は「色のついた上質紙」とお伝えしましたが、色上質紙のラインナップの中には「白」という色があります。もともと上質紙は白い用紙なのに筆者も疑問に思い調べてみました。どこがどう違うか、どう使い分ければいいかについて解説いたします。
紙を作る際のパルプの配合率や製法が上質紙と異なります。
そのため、紙に触れた際の質感などが異なります。質感を文字で表現するのは難しいですが、色上質紙の方がややざらっとした質感でしっかりしている印象です。反対に上質紙は滑らかな印象を受けました。
色については色上質紙の方が上質紙に比べて白色度が高い。
より白いのは色上質紙です。
より白い紙で、上質紙を使用するよりもほんの少し高級感を出したい場合、特に印刷するデータのイラストや写真、デザインにこだわっていて、この2種類の用紙で迷われている場合には色上質紙をオススメします。
ですが、同じ白い用紙で、似た質感のためこの2種類の使い分けは好みとこだわり方がポイントになります。(実際、並べてはじめて違いがわかるレベルです。)
※遊文舎では実際に両方の用紙に印刷したもので見比べていただく色校正も承っております。「比較して用紙を決めたい」と迷われているようでしたら、お気軽にご連絡ください。もちろん、この2種類以外の用紙でも承ります。
色上質紙について知っていただけましたか?
色上質紙は上質紙とほぼ同価格帯で使いやすい用紙です。また、用途面でも他の用紙と組み合わせて扉などポイントで使用していただくこともできる、万能な用紙です。一度、印刷物にご活用ください。迷われた時は色校正も可能ですので、ご連絡ください。
この記事が皆さまの印刷にお役立ていただければ幸いです。
今後もお役立ち情報で用紙情報を配信していく予定です。用紙は無数にあり、まだ紹介できていない用紙もたくさんあります。用紙についてはもちろんですが、それ以外のご質問もメールやお電話で随時受け付けております。お気軽にご連絡ください。